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部門紹介

抗菌薬適正使用推進チーム(AST)

抗菌薬適正使用推進チーム(AST)とは?

近年、抗菌薬が効かない「耐性菌(たいせいきん)」が増えていることが世界的に問題になっています。抗菌薬は感染症の治療に必要な薬ですが、使えば使うほど、耐性菌が増加することが知られています。耐性菌が感染症を引き起こすと、有効な抗菌薬が少ないため、治療がとても難しくなります。耐性菌を増やさないためには、ウイルスなどが起こす風邪には抗菌薬を使わない、必要以上に長期間抗菌薬を使わないなど、病院全体で努力することが大切になります。抗菌薬適正使用推進チーム(AST)は、患者さんに適切に抗菌薬が使用されるように、主治医の先生のお手伝いをしています。

ASTの活動は何をしますか?

感染症コンサルト

抗菌薬を使うかどうか迷う、抗菌薬は何を選択したらよいか迷うなど、主治医の先生が抗菌薬を使用する時に、アドバイスし、治療のお手伝いをします。

抗菌薬の長期使用、広域抗菌薬の使用の監視

長期間抗菌薬を使用する場合、広域抗菌薬といういろんな菌に効く抗菌薬を使用すると、院内でより耐性菌が増加します。そのため、必要性が低い抗菌薬を中止したり、変更したりするアドバイスを行います。

広報活動

ASTの活動には、皆様の、抗菌薬や感染症に対する理解が必要です。そのため、広報活動を行っています。職員を対象にした講演会(年2回)を行っています。また、患者さん向けの、ポスター掲示や冊子(外来)の配布を行っています。

ASTの活動でどんな成果がありますか?

当院での活動を本格的に始めてから広域抗菌薬の使用が減りました。カルバペネム系抗菌薬という、耐性菌への切り札となる薬の使用量は90%程度減少しています。広域抗菌薬を使用しない環境になると、耐性菌が減ることが分かっています。当院でも、カルバペネムが効かない緑膿菌の割合は3割くらいだったものが、昨年度は1割程度まで減りました。
広域抗菌薬を使わない→耐性菌が減る→さらに広域抗菌薬を使わない→…という良いサイクルが出来てきています。

経口広域抗菌薬(第3世代セフェム、カルバペネム、ニューキノロン)の使用量が減りました。第3世代セフェムは100%、カルバペネムは100%、ニューキノロンは95%程度使用量が減っています。

参考になる資料はありますか?

英国の微生物と抗菌薬の専門教育サイト(www.e-bug.eu)より正式に許可を得て翻訳・転載した資料を院内で配布しています。ダウンロードもできます。