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診療科紹介

産科

産科では、妊娠および分娩に関わる診療をしています。産科は2005年5月9日より、既存の新生児科とともに県内唯一の総合周産期母子医療センターとしてスタートしました。産科病棟には個室12床を含む計18床の病室と陣痛ベッド2台、分娩ベッド2台があります。個室は各部屋にトイレ、シャワーを設置するなど、長期の入院が必要な患者さんのためにプライバシーとアメニティに配慮した作りになっています。ベッド数があまり多くない分ひとりひとりの患者さんに寄り添った医療を提供しています。

当科の特徴として、当センターが小児専門病院であることから、切迫早産や多胎妊娠、胎児発育不全、出生前診断された胎児異常の症例が多いことが挙げられます。様々な小児領域の専門医と連携することで、出生前より切れ目のない診療を行っております。治療の準備を整えたうえでお産ができることで、治療成績の向上が見込めます。また、何よりご両親が心の準備をしておくことができ、ご家族と赤ちゃんの愛着形成にもよい効果をもたらすと考えております。とくに、胎児先天性心疾患については、県内唯一の胎児心エコー専門施設として小児循環器科や心臓血管外科と連携し、その診断治療にあたっています。一方、当センターは小児専門病院であることから、一部の合併症妊娠(もともと病気のある母体の妊娠や妊娠糖尿病など)や妊娠分娩中の異常出血が予想される妊娠(前置胎盤など)の診療には適しておりません。患者さんにはご不便をおかけしますが、他施設と密に連携して最適な医療を提供できるよう努めています。また、当センターで対応できない胎児治療につきましては主に県外の専門施設へ紹介させていただいております。

地域医療への貢献も重要な使命と考えており、当科では特に医学的リスクのない妊産婦さんの分娩も大歓迎です。分娩は新たな命の誕生を迎える素晴らしい瞬間であると同時に、残念ながら全ての分娩が必ずしも順調に進行するわけではありません。分娩中のストレスなどにより、出生時になんらかの蘇生処置を必要とする正期産児は全分娩の約15%で、回復に人工呼吸処置を必要とするものが約5%といわれています。こういったいつ起こるともわからない新生児側の問題に対し、県内随一の新生児科が24時間365日対応できることは分娩に際しての当科最大の強みであり、妊婦さまご家族と我々産科医の双方にとって大きな安心感となっています。また、母乳外来や宿泊型産後ケアなど、出産後も助産師や保健師が連携しながら様々なサポートを行ってまいります。

また、近年では、分娩時年齢の上昇や情報化社会の中で、大きな不安を抱える方も増えています。とくに赤ちゃんの先天的な疾患などに関しては、周囲に同じ境遇の方が少ないことやそのデリケートさゆえに、人知れず悩んでいる方もいらっしゃることかと思います。そういった方々に対し、当科では臨床遺伝専門医や出生前コンサルト小児科医と協力のうえ、遺伝カウンセリングや各種出生前検査(コンバインド検査・NIPT・羊水検査・胎児超音波検査など)を提供しております。また、他施設で妊婦健診を受けておられる妊娠22週以降の妊婦さまを対象にした胎児超音波スクリーニングも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

産科
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新生児科
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