当院のアレルギー科ではアレルギー疾患と慢性呼吸器疾患および感染症の診療を総合的に行っています。また、総合診療部門として感染症を中心として他病院や診療所からの紹介患者を多数受け持っています。
　アレルギー疾患の多くは外来診療可能疾患となった現在でも、低年齢層や基礎疾患を有する症例の感染に伴う喘息発作や、呼吸器の基礎疾患を有する例での下気道感染症は入院治療を必要とすることが多く、重点を置いて診療を行っています。また、アレルギー疾患は気管支喘息とアトピー性皮膚炎など、それぞれが合併することが多く、アレルギー疾患を総合的に診療することが各疾患の良好なコントロールに重要です。

　当院の小児外科は、年間400例ほどの手術を行う、群馬県内随一の小児外科認定施設です。
　積極的に低侵襲手術を導入している一方で、新生児外科疾患、小児固形腫瘍、救急外科疾患、神経疾患をお持ちの方の外科治療などに関しても広く受け入れて対応しております。
　また、総合周産期母子医療センターとして出生前診断例への対応も他科と連携して行っております。

　てんかん・脳性麻痺等の神経疾患の入院精査・治療に加え、何らかの神経疾患を有する患者さんが気道感染等を併発して入院治療が必要になった場合にも他医療機関の受け皿が限られているため、当院で対応してることが少なくありません。

　当院の循環器科が主に治療する疾患は先天性心疾患（生まれつきの心臓病）です。その中でも多いのは心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、肺動脈弁狭窄症、ファロー四徴症、完全型房室中隔欠損症などです。また、三尖弁閉鎖症、肺動脈弁閉鎖症、左心低形成症候群など機能する心室が一つしかない単心室系心疾患もあります。
　心エコーや心臓カテーテル検査で形態や血行機能を評価し、治療方針を決定します。心房中隔欠損症や動脈管開存症、肺動脈弁狭窄症などはカテーテルによる治療が可能なものもあります。単心室系心疾患は最終手術のフォンタン手術まで計2-3回の手術が必要になります。

　血液・腫瘍科は文字通り小児血液・腫瘍性疾患を全般的に診療しています。中心になるのは、白血病、リンパ腫などの造血器腫瘍と神経芽腫、横紋筋肉腫などの小児期特有の固形腫瘍となりますが、血友病などの出血性疾患や血球貧食症候群等の非腫瘍性血液疾患も多く診ています。それに加え、乳児血管腫や血管・リンパ管系奇形などに対する薬物治療も行っています。入院治療では、白血病をはじめとする小児がんに対する化学療法や免疫療法を担当していますが、小児外科など他科とも連携し、集学的により良い治療を提供しています。

　当院の新生児科は、群馬県の総合周産期母子医療センターとして、出生後早期に治療が必要な赤ちゃんについては当院の産科と密接に連携して診療にあたるとともに、院内の各診療科と協力して、重症な赤ちゃんや様々な先天異常、合併症のある赤ちゃんたちにも対応しています。

　当院の形成外科は、先天性および後天性の身体外表の形および色の変化を治療の対象としています。対象となる疾患は、顔面、手・足、体幹部の先天異常や母斑（あざ）、血管腫（赤あざ）、皮膚腫瘍、瘢痕などがあります。
　治療は、手術をはじめレーザー治療などの様々な治療法を行っています。

　県内唯一の総合周産期母子医療センター産科として、切迫早産、多胎妊娠、胎児発育不良、胎児先天異常、羊水量異常等の妊娠及び分娩管理がDPC対象疾患の大半を占めています。また、当院で妊娠糖尿病と診断された妊婦に対して、血糖日内変動測定のための検査入院を行っていますが、血糖コントロール不良例につきましては、他の母体合併症妊婦と同様に県内の総合病院を紹介させていただいております。

　鼠径ヘルニアの手術はソケイ法と腹腔鏡法の両方を行っており、ご家族と相談の上でいずれかの術式を行うかを選択するようにしています。
　新生児外科疾患、小児固形腫瘍、救急外科疾患、神経疾患をお持ちの方の外科治療などに関しても広く受け入れて対応しております。

　年間約100件の心臓血管外科手術と約70件のカテーテル治療を行っています。心臓血管外科手術は、心室中隔欠損閉鎖術や心房中隔欠損閉鎖術などが多い手術です。カテーテル治療では肺動脈狭窄症に対する経皮的肺動脈形成術（バルーン拡張術）、心房中隔欠損症に対する経皮的カテーテル閉鎖術、WPW症候群の頻脈発作や心室性期外収縮などの不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術（カテーテルアブレーション）などです。

　当院は小児病院のため、顔面、手・足、体幹部の先天異常や母斑（あざ）、血管腫（赤あざ）、皮膚腫瘍など、特に先天的な疾患に対する手術が多いのが特徴です。

　年間約200名の新生児症例の入院があり、そのうち半数以上が院内出生です。院内出生の多くは低出生体重児、早産児、先天性異常を合併している児で、出生後早期からの治療を要しています。また、重症の新生児外科疾患にも対応しております。

　早産、不当低出生体重児、多胎妊娠、胎児先天異常等のハイリスク症例の分娩を行っているため、全分娩に対する帝王切開術の割合は例年35%前後で一般平均以上ですが、総合周産期母子医療センターとしては決して高くはありません。また、母児急変による母体搬送を県内で最も多く受け入れていることなどもあり、帝王切開術のうち、緊急帝王切開術が例年過半数を占めています。
　当院で行っている手術の大半は帝王切開術ですが、その他には子宮頸管無力症に対する頸管縫縮術、帝王切開中の卵巣腫瘍摘出術、流産手術などがいずれも年間数例程度あります。

　小児股関節手術は、股関節脱臼例の手術的治療には徒手整復術、観血的整復術、（Salter）骨盤矯正骨切り術を、ペルテス病に対しては大腿骨内反骨切り術を行っています。先天性筋性斜頸術には胸鎖乳突筋上下端切離術を行っています。下肢長差補正に対しては骨端軟骨発育抑制術と骨延長術を適応に応じて使い分けています。先天性ばね指手術は保存療法に年長児に腱鞘切開術を行っています。